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隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働

隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働

文藝春秋

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◎ピケティに次ぐ欧州の新しい知性の誕生◎オランダの29歳の新星ブレグマンが、「デ・コレスポンデント」という広告を一切とらない先鋭的なウェブメディアで描いた新しい時代への処方箋は、大きな共感を呼び、全世界に広がりつつある。最大の問題は、人間がAIとロボットとの競争に負けつつあること。その結果「中流」は崩壊し、貧富の差は有史上、もっとも広がる。それに対する処方箋は、人々にただでお金を配ること、週の労働時間を15時間にすること、そして国境線を開放することである。それこそが、機械への『隷属なき道』となる。【目次】■第1章 過去最大の繁栄の中、最大の不幸に苦しむのはなぜか?産業革命以降の2世紀で、長く停滞していた世界経済は250倍、1人当たりの実質所得は10倍に増えた。これは中世の人々が夢見た「ユートピア」なのか?ではなぜ、うつ病が歴史上かつてないほどの健康問題になっているのか?■第2章 福祉はいらない、直接お金を与えればいい生活保護や母子家庭手当て、就学援助、幾多ある福祉プログラムを全てやめる。そのかわりに全ての国民に、例えば一律年間150万円の金を与える。それがベーシックインカム。ニクソン大統領はその実施をもくろんでいた■第3章 貧困は個人のIQを13ポイントも低下させるベーシックインカムがなぜ有効なのかは、貧困がもたらす欠乏の害を調査するとわかる。貧困はIQを13ポイントも下げる。奨学金や有効な教育プログラムにいくら投資しても、そもそも貧困層にいる人は申し込まないのだ■第4章 ニクソンの大いなる撤退60年代初頭、ベーシックインカムは、フリードマンのような右派からガルブレイスのような左派まで大きな支持を得ていた。それを潰したのは一部の保守派が持ち出してきた19世紀英国での失敗だった。ニクソンに渡された報告書■第5章 GDPの大いなる詐術ロシア人教授クズネッツが80年前に基礎を築いたGDPは進歩を表す神聖なる指標だ。だがGDPは多くの労働を見逃し、医療や教育のサービス分野でも効率と収益に目を向ける。人生を価値あるものにする新しい計器盤を検討する■第6章 ケインズが予測した週15時間労働の時代ケインズは1930年の講演で、「2030年には人々の労働時間は週15時間になる」と予測した。ところが、産業革命以来続いていた労働時間の短縮は70年代に突然ストップした。借金によって消費を拡大させる資本主義の登場■第7章 優秀な人間が、銀行家ではなく研究者を選べば「空飛ぶ車が欲しかったのに、得たのは140文字」とピーター・ティールは揶揄する。過去30年の革新は富の移動に投資されてきた。優秀な頭脳が銀行員や会計士よりも研究者や技術者を選べば、才能はより社会に還元されるのだ■第8章 AIとの競争には勝てない産業革命時代、織物工は蒸気機関に仕事を奪われた。そして今、AIとロボットが「中流」と呼ばれる人々の仕事を奪う。その結果、富の不均衡は極大化する。今こそ、時間と富の再分配、労働時間短縮とベーシックインカムが必要だ■第9章 国境を開くことで富は増大する西側世界は途上国支援のために50年で5兆ドルを投じてきた。だが国境を開けば世界総生産は67~147%成長し、65兆ドルの富が生み出される。わずか62人が35億人の総資産より多い富を所有する偏在の要因は国境にある■第10章 真実を見抜く一人の声が、集団の幻想を覚ます1954年12月21日に洪水が来て世界は滅亡する。そう予言した主婦とそれに付き従った人々。その予言が外れても信者たちは信念を変えない。だが、一人の真実を見抜く人の勇気ある声が幻想を崩し、現実を変えることもある■終章 「負け犬の社会主義者」が忘れていることこの本で提案したのは、大きな路線変更だ。奴隷制度の廃止、女性の解放も、唱えられた当初は、正気の沙汰とは考えられていなかった。そうした「大きな政治」を左派は思い出し、右派も同調する変革へと進むべきだ■解説 欧州の新しい知性の登場 日本語版編集部
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